duct_fire_fighting

ダクト火災の消火はとても厄介!?万が一火災が起きてしまった時にできる消火方法とは?

  • ダクト火災が起きた場合の消防署の消火ってなにするの?
  • 万が一ダクト火災が起きた場合、自分で消火できるように備えたい
  • 自動消火装置ってなに?

上記の疑問を抱えている方の悩みを解決できる記事になっています。

この記事では
ダクト火災が起きた時の消防署が行う消火は何をするのか、
自分でできる消火方法、消火する際の注意点、自動消火装置について解説します。
この記事を読み終えることで
消防署の消火活動によるお店の損害を把握でき、
万が一ダクト火災が起きてしまっても迷わずに消火できるようになります。

ダクト火災が起きた場合の消火はとても厄介

ダクト火災がどれだけ厄介か説明する前に、

ダクト火災とはどのようなものかを軽く説明しておきます。

 

ダクト火災とは、無煙ロースターなどが火のついたお肉や油などを吸い込み

ダクト内のほこりや油に引火して起こる火災のことです。

ダクト火災の原因についてもっと詳しく知りたい方は

こちらの記事をご参考下さい。

関連記事

なぜダクト火災が起きるのか…その原因が知りたい ダクト火災の対策はどのようにすればよいか知りたい 上記の疑問を抱えている方の悩みを解決できる記事になります。 私たちロースターエンジニアは無煙ロー[…]

dact_fire_reason

 

なぜダクト火災が厄介かといいますと、

説明した通り、ダクト内で火災が起きるから消火が難しくなるのです。

ダクト火災の消火が難しい理由

ダクト火災の消火が難しい理由は3つあります。

火災が起こっている場所がダクト内部で、消火しようにも注入口がない

消火器や消火栓からホースを引っ張り出して消火する際には

必ず、水を注入する場所が必要になります。

ダクト内部で火災が起こると、注入口が少なく消火が難しいです。

ダクトの構造的に一旦着火すると、延焼するスピードが速い

ダクトは垂直方向に長くなることが多いです。

天井に向かって垂直に伸びていると、ドラフト効果が起こります。

ドラフト効果というのは高温の空気が上昇することです。(別名、煙突効果とも言われます)

逆に冷たい空気が下に溜まることをコールドラフトといいます。

天井のダクトに高温の空気が溜まり、延焼するスピードがはやくなります。

ダクトは電気ケーブルに近い場所を通っている可能性があるため、2次災害を引き起こす場合がある

ダクト内部の熱によって、電気ケーブルを損傷させた結果

さらに延焼を加速させたり、

停電によりお客さんの非難が困難になる等の2次被害に繋がる恐れがあります。

 

この他にも消防署側の目線に立つと厄介な理由は

いくつかあると思いますが、

数が多すぎると覚えきれないので

知っておいて欲しい3つのポイントだけに絞りました。

ぼや程度のダクト火災であったとしても、ダクト内に火が入った場合は損害は大きい

ダクト火災の消火が難しい理由で、

消火する際には注入口が必要だという話をしたと思います。

この注入口がダクト内にないというのが

ボヤ程度あったとしても損害がでてしまうポイントになります。

 

消火する消防署的には

ダクト内に火が入ったとなると、

天井や床を解体したり、ダクトを切断したりして

大きな火災に繋がらないボヤ程度あっても消化します。

 

なので、ボヤ程度だったから安心だとはならないのです。

お金的な損害以外にも、お客様の信頼を損なうことにもなるので

ダクト火災対策に力をいれて頂きたいです。

 

もし、ダクト火災が起きてしまった場合の消火方法

万が一、ダクト火災が起きてしまった場合に最初にとるべき行動は

燃え上がっている火を消火しにいくことではありません。

消火活動ではなく、何が必要か?パッと出てこなかった場合は

必ず読んでいただきたい内容になります。

初期消火

出火後、1~2分の鎮火行為を「初期消火」といいます。

1. 火事についての連絡

まず最初にとるべき行動は、非常ベルを押して

119番で消防署に連絡することです。

もし、複数のテナントが入っているビルや

複数の建物が密集している場合は

火事が起きたことをいちはやく知らせる必要があります。

2. 消火活動

この段階で火を消火しにいきます。

消火器や水などを使って消火活動を行います。

その際は、炎が燃え広がってもすぐに逃げ道を確保しつつ

無理しない範囲で行ってください。

3. 現場から避難

避難誘導は消火活動と同時に行ってください。

煙を吸うだけでも一酸化中毒になるため、

できる限り早めの対応が必須です。

 

初期消火は上記の内容になります。

初期消火の時間の目安としては1〜2分です。

この短時間にこれだけの内容をやらないといけないので

すぐに行動できるように

前もって準備する必要があります。

 

初期消火する際にいくつか注意点がありますので

こちらも自分を守る知識として抑えておいてください。

消火する際の注意点

消火器にも種類がある

消火器にも種類があり、

てんぷら油やガソリンを消せないものや

コンセントなどの電気火災に対応していないものもあります。

お店に置いてある消火器は

どんな種類の消火器が

どの場所に置いてあるかを常に把握しておく必要があります。

消火する際は適切な距離を

吹き返して燃えているものが飛び散ったりするので

燃えている場所に近づきすぎず

適切な距離をとって消火しましょう。

消火することに夢中にならない

出火室内が燃え広がっていたり

天井などに燃え広がっている場合は

大変危険なので避難してください。

火を完全に消すのは消防署に任して

人命第一の行動を心掛けてください。

ダクト火災対策に繋がる自動消火装置とは?

厨房ダクトでのダクト火災で

一番多い出火原因が

「コンロの消し忘れ・放置」です。

それを未然に防いでくれるのが自動消火装置になります。

 

自動消火装置とは火災が起こったことを

機械が自動で検知して消火してくれる装置のことです。

飲食店の火災では以下の自動消火装置を使われることが多いかと思われます。

 

フード・フライヤー用簡易自動消火装置

 

下引ダクト用簡易自動消火設備

ダクト火災を消火する事態を招かないためにも定期的な清掃を心掛けてください

ダクト火災の消火はダクト内部で火災が起こるので消火が難しくなる。

そして、たとえ「ぼや程度」であったとしても

消防隊が天井や床を解体して消火するケースもある。

万が一のダクト火災のために

「初期消火」をスムーズに行える準備が必要であることや

自動消火装置の存在について把握できたかと思います。

 

しかし、これは最悪の展開での話です。

そもそもダクト火災を起こさないように対策するのが一番かしこい方法です。

ダクト火災を未然に防ぐには自動消火装置以外にも

定期的なダクトの点検や清掃で防ぐことも可能です。

 

もし、無煙ロースターの吸引が悪かったり

排気ファンから異音が聞こえたり、

ダクト排出口から油が染み出てたりした場合は

ダクト清掃が必要になりますので

すぐにダクト清掃業者に連絡し、対応してください。

 

 

>ダクト火災を防ぐには1年に1回の清掃が基本です

ダクト火災を防ぐには1年に1回の清掃が基本です

ダクト火災に繋がる主な原因は
清掃を放置したダクト内やグリスフィルターの油の汚れです。
ガスの付けっぱなし等で人為的なミスをしてしまったとしても
グリスフィルターやダクト内に油がなければ
引火する確率は大幅に下がります。
不明点や不安があればお気軽にご相談ください。